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トーマス・ヘザウィックの建築【麻布台ヒルズ・低層部に至る過程】

2023年7月9日

Azabudai Hills / Lower Levels《麻布台ヒルズ・低層部》
*本ページはプロモーションが含まれています。

こんにちは!
くろひよです。

2023年現在、東京で進行中の大型再開発プロジェクト・麻布台ヒルズ。
かつての郵政省本庁舎跡地にそびえるのは《麻布台ヒルズ森JPタワー》。
そしてすぐ北に位置する我善坊谷には現在、印象的な建物が続々と誕生しています。
《麻布台ヒルズ・低層部》と呼ばれるエリアです。

◾️はじめに

《麻布台ヒルズ・低層部》を手掛けるのは、ニューヨーク、シンガポール、上海、香港など世界各地で革新的なプロジェクトを手掛けている建築設計事務所ヘザウィック・スタジオです。

今回は、2023年に3月17日〜6月4日に六本木ヒルズ森タワー・東京シティビューで開催された「ヘザウィック・スタジオ展 共感する建築」をベースに、世界各地に残るヘザウィック作品から《麻布台ヒルズ・低層部》に至るまでをご紹介していきます。

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◾️トーマス・ヘザウィック(Thomas Heatherwick)

イギリス・ロンドン出身の3次元デザイナーであるトーマス・ヘザウィック(Thomas Heatherwick)。
マンチェスター工科大学、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで3Dデザインを学んだ後、ヘザウィック・スタジオを設立。
2006年に、英国の王立芸術協会より最年少で王室工業デザイナーに任命されます。
2010年の上海万博における英国パビリオンや、2012年のロンドン五輪の聖火台などの代表作があり、テレンス・コンラン卿から「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と称されました。

「すべてのデザインは、自然界のエネルギーや建築物の記憶を取り込みつつ、都市計画のような大規模プロジェクトもヒューマン・スケールが基準となる」という信念(「ヘザウィック・スタジオ展 共感する建築」より)のもとで活動する注目の建築家です。

公式)Heatherwick Studio
インタヴュー)Mori Art Museum 森美術館
参考)Heatherwick書籍類

◾️Spun《スパン》

Spun《スパン》
【2007​​年】
こまのような形状で360度回転するチェア。
不安定ながらも倒れることのないユニークな椅子です。
Spun《スパン》
展示会では、実際にスパンの座り心地を体験できるようになっていました。

参考)Spun

◾️UK Pavilion for Shanghai Expo《上海万博英国パビリオン》

Shanghai Expo UK Pavilion《上海万博英国パビリオン》
【2010年・上海 中国】
7.5mの細長い光ファイバー6万本からなる斬新な外観デザイン。
別名「種子大聖堂」(Seed Cathedral)と呼ばれます。
Shanghai Expo UK Pavilion《上海万博英国パビリオン》
先端には、25万個の種子が埋め込まれていて、自然と科学技術の組み合わせを象徴していると云います。
この作品はエキスポで最も人気のあるパビリオンとなり、パビリオン・デザインの金賞を受賞しました。

参考)UK Pavilion for Shanghai Expo

◾️Olympic Cauldron《ロンドンオリンピック聖火台》

Olympic Cauldron《ロンドンオリンピック聖火台》
【2012年・ロンドン イギリス】
聖火台は、204個の個別の銅ペダルで構成され(参加国を表す)、開会式で聖火が灯されると、各ペダルが一つの大きな炎を形成して上昇する演出が行われました。
最も有名な作品の一つで、広く称賛されました。

参考)Olympic Cauldron

◾️New Routemaster《新ルートマスター:市バス》

New Routemaster《新ルートマスター:市バス》
【2012年・ロンドン イギリス】
ロンドンの象徴、赤の二階建てバスの新しいデザインを担当しました。
効率性と持続可能性を考慮したこの新しいバスは、クラシックなデザインと現代的な解釈を融合させたものとされます。
New Routemaster《新ルートマスター:市バス》
50年ぶりにリデザインしたロンドンの市バスの原寸大模型が展示されていました。

参考)
New Routemaster
New Routemaster書籍

◾️The Zeits Museum of Contemporary Art Africa《ツァイツ・アフリカ現代美術館》

The Zeits Museum of Contemporary Art Africa《ツァイツ・アフリカ現代美術館》
【2017年・ケープタウン 南アフリカ】
南アフリカのケープタウンにある歴史的な穀物倉庫(サイロ)を、現代アフリカ芸術のための博物館へと転換するプロジェクトでした。
The Zeits Museum of Contemporary Art Africa《ツァイツ・アフリカ現代美術館》
中央を掘り出し空間を確保し、巨大なガラスやアクリルパネルなど光を通す材質の屋根で覆われたアトリウムを作り、サイロの個々の筒をギャラリー空間に変えることで、展示空間としての価値を生み出しました。

参考)The Zeits Museum of Contemporary Art Africa

◾️Coal Drops Yard《コール・ドロップス・ヤード》

Coal Drops Yard《コール・ドロップス・ヤード》
【2018年・ロンドン イギリス】
キングス・クロスの複合施設として、劇場、店舗、オフィス、住宅、公共空間などを一つの場所に結集させています。
Coal Drops Yard《コール・ドロップス・ヤード》
歴史的な建築を組み合わせ、新たに一体化するという手法は、ツァイツ・アフリカ現代美術館に通じるものがあります。

参考)Coal Drops Yard

◾️Vessel《ベッセル》

Vessel《ベッセル》
【2019年・ニューヨーク アメリカ】
ニューヨークのハイラインの北、マンハッタン最大の再開発プロジェクト「ハドソンヤード」の象徴として建設された無料の展望施設です。
Vessel《ベッセル》
この大規模な公共芸術作品は、154の階段と80の視点を提供する蜂の巣のような構造で、デザイン性の高いアート建築となっています。

参考)Vessel

◾️Hainan Performing Arts Center《海南舞台芸術センター》

Hainan Performing Arts Center《海南舞台芸術センター》
【2020年契約・海南島 中国】
中国最南端の島、海南省のオペラハウス。
Hainan Performing Arts Center《海南舞台芸術センター》
現在進行中のプロジェクトのようです。

参考)Hainan Performing Arts Center

◾️1000 Trees《サウザンドツリーズ》

1000 Trees《サウザンドツリーズ》
【2021年・上海 中国】
上海の芸術地区M50に隣接する新しい大型複合施設。
1000 Trees《サウザンドツリーズ》
柱の上部のプランターには何千本もの樹木が植えられ、木に覆われた山のような建造物群は「千の塔」ならぬ「千の木」となっています。

参考)1000 Trees

◾️Little Island《リトル・アイランド》

Little sland《リトル・アイランド》
【2021年・ニューヨーク アメリカ】
ミートパッキング・ディストリクトの西側、ハドソン川に突き出した遊歩桟橋を備えた公園です。
Little sland《リトル・アイランド》
水上に建てられたコンクリート製の杭の上部はプランターになっていて、100種以上の植物が植えられており、自然とのつながりを直感的に感じることができます。

参考)Little Island

◾️Google Bay View《グーグル・ベイ・ビュー》

Google Bay View《グーグル・ベイ・ビュー》
【2022年・カリフォルニア アメリカ】
ビャルケ・インゲルス・グループと協業したグーグル本社屋となる作品。
企業の定めたイノベーション・自然・コミュニティをテーマに計画され、イベントスペースや宿泊機能を併せ持ち、3つの建物の合計広さは約10万㎡。
24時間365日カーボンフリーエネルギーでの稼働を目指しています。
Google Bay View《グーグル・ベイ・ビュー》

Google Bay View《グーグル・ベイ・ビュー》
開放的なデザインと細かなミニチュアの様子から、完成後の社員たちの交流や創発を促すようなデザイン性が感じられます。

参考)Google Bay View

◾️Airo《エアロ》

Airo《エアロ》
【2021年】
化石燃料による大気汚染物質を一切排出せずに街を走行できる純電気自動車。
Airo《エアロ》
微細なほこりを捕集する最新のHEPAフィルターを搭載し、周囲の空気をクリーンにする仕組みになっています。

参考)Airo

◾️Azabudai Hills / Lower Levels《麻布台ヒルズ・低層部》

Azabudai Hills / Lower Levels《麻布台ヒルズ・低層部》
【2023年 東京】
2023年秋竣工予定の麻布台ヒルズは、日本で初となるへザウィック・スタジオのプロジェクト。
Azabudai Hills / Lower Levels《麻布台ヒルズ・低層部》
虎ノ門エリアの3つの高層タワーに統一感をもたせる役割が与えられた建物は、谷状のなだらかな地形を活かした都会のオアシスのようなスペースを目指していると云います。

「人間の多様性を認めるように、今こそ建築にも多様性が必要です。人々の感性に訴えかける、愛着が湧く建物や街が増えるといい。麻布台ヒルズはきっとそんな街になるでしょう。」

Azabudai Hills / Lower Levels《麻布台ヒルズ・低層部》実物

Azabudai Hills / Lower Levels《麻布台ヒルズ・低層部》実物

参考)Azabudai Hills / Lower Levels

◾️おわりに

「へザウィック・スタジオ展:共感する建築」
今回は、建築家トーマス・ヘザウィック率いるヘザウィック・スタジオの作品を見てきました。
万博、オリンピックなど世界的イベントや、グーグルなど世界的企業の建築だけでなく、電気自動車やイスなどのユニークな工業製品を生み出してきました。
近年ニューヨークに多くの作品が完成しており、ぜひ見たいと思いました。
そして2023年中に、東京では麻布台の谷間に《麻布台ヒルズ・低層部》が完成します。
我善坊谷がどのように生まれ変わるのか、引き続き注目です。

周辺情報はこちらをどうぞ。

参考)Heatherwick書籍類

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\旅のトリコ、FIRE目指す/ 旅のトリコくろひよが、旅の魅力とFIREの過程を紹介するよ ★街を徘徊して見つけた都市の魅力が好物 ★歴史・地理・地形・建築・文化・アート・痕跡・再開発など ★同じくらいお金が好物(アッパーマス層に)

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