書籍紹介

【ビジネス】『知的戦闘力を高める 独学の技法』の学び

2021年8月18日

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【ビジネス】『知的戦闘力を高める 独学の技法』の学び

✔︎ 忘れない読書のコツとは?
✔︎ 自分のオリジナリティを高めるには?
✔︎ いま必要とされる人材とは?
✅ 読書など独学するときの4つの指針がわかる
✅ オリジナルのアウトプットを出し続けるコツがわかる
✅ 求められる人材がわかる

著者は、元外資系コンサルサルであり、イノベーション・組織開発・人材・リーダーシップ育成を専門とする山口周氏。
📕『知的戦闘力を高める 独学の技法』から、独学の方法から求められる人材になる方法まで学びます。

独学のシステム

独学というのは大きく「①戦略」「 ②インプット」「 ③抽象化・構造化」「 ④ストック」という四つのモジュールからなるシステムと考えることができます。
① 戦略:どのようなテーマについて知的戦闘力を高めようとしているのか、その方向性を考えること
② インプット:戦略の方向性に基づいて、本やその他の情報ソースから情報をインプットすること
③ 抽象化・構造化:インプットした知識を抽象化したり、他のものと結びつけたりすることで、自分なりのユニークな示唆・洞察・気づきを生み出すこと
④ ストック:獲得した知識と、抽象化・構造化によって得られた示唆や洞察をセットとして保存し、必要に応じて引き出せるように整理しておくこと

以上の4つの流れで独学を進めていくことが本書の骨子となります。
その前になぜ、独学が必要なのか。
「人材」にフォーカスしてみていきましょう。

求められるクロスオーバー人材

私は、「独学の技術」がこれほどまでに求められている時代はない、と考えています。

クロスオーバー人材というのは、平たく言えば「領域を越境する人」ということです。
昨今、人材育成・組織開発の世界でよく言及されるのが「 Π(パイ)型人材」の重要性です。
Π型人材とはつまり、「縦棒 =スペシャリストとしての深い専門性」を二つの領域で持ちながら、一方では「横棒 =ジェネラリストとしての幅広い知識」をも併せ持った人材のことです。

イノベーションという言葉の生みの親であるシュンペーターが指摘したとおり、イノベーションというのは常に「新しい結合」によって成し遂げられるからです。
この「新しい結合」を成し遂げるためには、それまでに異質のものと考えられていた二つの領域を横断し、これをつなげていく人材が必要になります。
これがつまり「クロスオーバー人材」ということになります。

現在の社会はテクノロジーの進化に引きずられるようにして変化を余儀なくされていますが、テクノロジーの進化は必然的に専門分野の細分化を要請します。
このとき、特定領域における科学知識の深化とリベラルアーツを二項対立するものとして置けば、リベラルアーツに出る幕はありません。
しかし一方で、どんどん専門分化する科学知識をつないでいくものとしてリベラルアーツを捉えればどうか。
本書の冒頭で指摘した通り、いま足りないのは領域の専門家ではなく、そこを越境していけるクロスオーバー人材です。

領域を超えるというのは、リーダーにとって必須の要件と言えますよね。
なぜなら領域の専門家でい続ければリーダーになることはできないからです。
リーダーとしての器を大きくしていくということは、そのまま「非専門家」になっていくということでもあります。

リーダーの仕事は、異なる専門領域のあいだを行き来し、その領域の中でヤドカリのように閉じこもっている領域専門家を共通の目的のために駆動させることです。

テクノロジー進展によりプログラマーなどスペシャリスト人材が求められる時代にありますが、スペシャリストだけではイノベーションは起きにくいようです。
2つ以上の領域を越境するクロスオーバー人材(本当の意味でのジェネラリスト)が、複数領域をつなぎ合わせたイノベーションの可能性を高めます。
越境するクロスオーバー人材が、領域間でリーダーシップを握っていくことは自然な流れであり、そのような人材は独学により創出されるわけです。
池上彰『知の越境法~「質問力」を磨く~ 』に通じるでしょう。
以下、独学の流れを4つの段階から見ていきます。

独学のシステム〜①戦略

●何をインプットしないか

「戦略」を具体化する際には、もちろん「何をインプットするか」を考えることも重要なのですが、同時にまた「何をインプットしないのか」を定めることが重要です。

●「ジャンル」ではなく「テーマ」

注意しなければならないのは「独学の方針は、ジャンルではなく、むしろテーマで決める」ということです。

独学をするとなると、では「哲学を学ぶ」とか「歴史を学ぶ」とかといったように、ジャンルの設定から入ってしまいがちなのですが、大事なのはむしろ、自分が追求したい「テーマ」に方向性を持つということです。
テーマとは、自分が追求したい「論点」のことです。

たとえば、私の場合は「イノベーションが起こる組織とはどのようなものか」とか「美意識はリーダーシップをどう向上させるのか」とか「共産主義革命はいまだ可能なのか」とか「キリスト教は悩めるビジネスパーソンを救えるか」とかといったテーマを持って独学に臨んでいます。
このテーマの数は時期にもよりますが、だいたいは五つから七つほどになります。
これらのテーマに対して、自分なりの答えを追求していくために独学しているのであり、したがって、「何をインプットするか」は、これらのテーマについて何らかのヒントや気づきが得られるかどうか、というのが判断のポイントになってきます。

テーマは自分の興味や仕事に従って自ずと決まってくるわけで、こちらについてはあまり悩む必要はありません。
一方で、どんなジャンルを学んでいくかについては、迷う部分もあるかもしれません。
ここで共有しておきたいのは、まずは「自分をプロデュースするつもりで、ジャンルを選ぶ」ということです。
自分をプロデュースするということはつまり、他の人にはない組み合わせを選ぶ、ということです。

●「欲しいもの」より「すでに持っているもの」

これはキャリア戦略にも関わることなのですが、多くの人は「自分が持っているもの」を活かそうとせず、「自分が欲しいもの」を追求してしまう。
でも、そうやって追求したものが、その人のユニークな強みになるかというと、これはもうまったくならないんですね。
もっとも大事なのは、「自分がいますでに持っているもの」を、どのようにして活用するかを考えることです。
しかし、これがなかなか難しい。

要するに「自分が持っているものに着目しなさい」ということです。
その人にとっての本当の強み、他の人にはなかなか真似のできない強みというのは、それが本当の強みであればあるほど、本人にとっては「できて当たり前、知ってて当たり前」であることが多いのです。
だから、それを「あなたの強みってここですよね」と言われると「はあ、それは私にとっては当たり前なんですけど」と思ってしまう。

人がお金を払うのは、いつも「ユニークなもの」です。
そして、自分を他者と差別化するポイントは常に、本人が当たり前と思っていることの中にこそ潜んでいるものなのです。

独学を始めるにあたって、いきなり読書でインプットを始めるのではなく、自分なりの戦略を持つことが大切です。
戦略の方向性を明確にするために、「インプットしないもの」を決めておくことが重要です。
これは、自分の好みや願望を明確にするために、あえて嫌いなものを明確にしていく方法と似ています。
また、個別の「ジャンル」に特化してインプットしていくのではなく、「テーマ」選びを優先します。
「テーマ」とは、個々の関心や問題意識から導かれるものであり、人生の探究すべき課題やライフワークに近いものでしょう。
そして「テーマ」と重なる「ジャンル」(個別の学問領域)を越境しつつインプットしていくことになります。
選ばれた「ジャンル」の組み合わせは、オリジナリティの源泉、差別化要素に成長していきます。
なお、選定「ジャンル」は、「他人が持っているもの」や「自分が欲しいもの」にフォーカスするのでなく、「自分の持っている本性や興味」にフォーカスすべきです。
なぜなら「得意ジャンル」は、その人の経験であり、強みであり、権威性であり、他人が価値を高いと評価する要素だからです。

独学のシステム〜②インプット

●読書の目的

読書には、大きく次の四つの目的があります。
① 短期的な仕事で必要な知識を得るためのインプット:主にビジネス書
② 自分の専門領域を深めるためのインプット:ビジネス書 +教養書
③ 教養を広げるためのインプット:主に教養書
④ 娯楽のためのインプット:何でもあり

上記の四つの目的は、本1冊と一つの目的が一対一で対応するわけではない、ということです。
重要なのは、自分がいまどの目的モードで本を読んでいるのか、ということに意識的になる、ということです。

●ビジネス書の読み方

ビジネス書は定番・名著と言われる本の数がそれほどないので、基本的にそれらの定番・名著を押さえておけば、大概の場合は大丈夫だということです。

ビジネス書というのは、定義からしてビジネスに役立つ示唆や洞察が書かれている本です。
ですから、得られた知識を「いま、ここで」活用することが可能です。
したがって忘却の恐れは少なくなり、必然的に読書ノートを作成する必要度合いは下がります。

●教養書の読み方

「ビジネスにおける知的生産力を高めるため」に、かつ「教養書を読む」ということであれば、読書ノートを作らなければその本から引き出せる知的成果は大幅に小さくなってしまうでしょう。
なぜなら、教養書で得られた知識というのは、即座にビジネスにつながるものではないからです。

●多様な意見の活用

多くの組織論の研究が、多様な意見のぶつかり合いによる認知的な不協和がクオリティの高い意思決定につながることを示しています。
要するに、どんなに知的水準の高い人でも「似たような意見や志向」を持った人たちが集まると知的生産のクオリティは低下してしまうということです。
これは個人の知的ストックにおいてもまったく同様だといえます。

●ネガティブの活用

強い怒りや嫌悪感は、自分たちの中にある「何らかの痛み」を指し示している可能性があります。
たとえば、キャリアカウンセリングをする際、「好きなもの」よりも「嫌いなもの」を聞いた方が、その人のパーソナリティの深い部分に入り込めることが多い。
いままでの人生でもっとも怒りを感じたことを思い出し、なぜ、それほどまでに強い怒りを感じたのかを考えてみるわけです。
恐らく、それは自分にとって一番大事なものが蹂躙されたと感じたからです。
怒りというネガティブな感情を反射板にして、自分が一番大事にしているものにそっと耳を澄ます。
強い反感や嫌悪感を覚えるときは、それもメモしておきましょう。

●古典・原典の活用

いくら皆さんが優れた独学システムを構築したとしても、ゴミのようなインプットを繰り返していれば、いつまでたってもゴミのようなアウトプットしか生み出せないでしょう。
となると、次に「ではどうやってゴミを峻別するか?」という問題が浮上します。
結論から言えば、ゴミの峻別は結構難しいので、まずは名著・古典と言われているもの、つまり「ハズレ」のなさそうな評価の確立したインプットをしっかり押さえることが重要だと思います。

評価の確立していない新刊のビジネス書をあれこれつまみ食いするよりも、こういった古典・定番の本を繰り返し繰り返し読んで考える方が時間の費用対効果としては高いと思います。

断言しますが、こういった簡易版の解説書をいくら読んでも経営のリテラシーは高まりません。
理由は非常に単純で、古典・原典をじっくりと読み、そこに展開されている思考のプロセスを著者と同じように追体験することで「経営の考え方」「ビジネスを考えるツボ」を皮膚感覚で学び取っていくということにこそ意味があるからです。

●インプットのカギ

ここで「どうやってインプット量を維持し続けるか」という点と「どうやって定着化を図るか」の 2点が問題として浮上してきますが、この 2点を解消するためには、常に「問い」を持ってインプットに臨むというのがカギになります。

好奇心というのは要するに質問をたくさん持っているということですが、質問というのは、わかっていないから生まれるのではなく、わかっているからこそ生まれるものです。
だから、学ぶことでわかっている領域の境界線が宇宙に向かって少しずつ広がっていくに従って、「未知の前線」もまた広がることになり、結果として質問の数はどんどん増えてくることになります。

独学の戦略であるテーマとジャンルの方向性が決まったら、各ジャンルのインプットに移ります。
インプットは、読書や動画や音声、人との会話、旅など様々ですが、こちらでは読書の説明となります。
読書の目的に応じて、本の種類がビジネス書と教養書に分かれます。
ビジネス書の場合、そのまま自分の仕事に直結する内容であるため、読書ノートやメモの必要性は低いです。
しかし、教養書の場合、抽象度が一段高いためノートを取っておく必要性が高まります。
読んでいくときは、あらかじめテーマを設定しているはずなので、常に「問い」を持って臨むことが最重要です。
目次を見ながら、自身のテーマと重なる領域をチェックしておくのもいいでしょう。
なお、記述内容について、共感できる部分だけでなく、真逆の価値観、ネガティブな価値観にも注意を払うことが推奨されます。
ビジネス書の場合は、古典の方がコスパが良さそうですね。

独学のシステム〜③抽象化・構造化

●抽象化

ビジネスの世界における「生きた知恵」に転換するには「抽象化」が必要になります。
抽象化とは、細かい要素を捨ててしまってミソを抜き出すこと、「要するに ○ ○だ」とまとめてしまうことです。
モノゴトがどのように動いているか、その仕組み =基本的なメカニズムを抜き出すことです。
経済学ではこれを「モデル化する」と言います。

細かい要素は捨ててしまい、本質的なメカニズムだけを抽出する。
これが抽象化です。

●仮説

すべての抽象化された示唆や洞察の最後には「?」が付くことになります。
なぜ「?」が付くかというと、それが「仮説」であって「真実」ではないからです。

別の言い方をすれば、個別に学んだ事象から、人間や組織や社会の本性についての洞察を抽出するということです。

固有の文脈が前提になった知識を、固有の文脈に当てはめても意味がありません。
だからこそ、学んだ知識を抽象化し、その知識を文脈から切り離しても成立する「公理系」に仕立てる必要があるわけです。

知識の抽象化はまた「専門バカ」に陥る愚を避け、領域を横断する「ルネサンス人」になれるかどうかという点にも関わってきます。

独学の戦略であるテーマとジャンルを定め、各ジャンルを読書でインプットしてきました。
次の段階は「抽象化・構造化」というものです。
これは「自分なりのアウトプット」と言い換えられるでしょう。
「このビジネス書の事例が、他の分野の解決につながるのではないか?」
「この歴史書の記述が、現在の事例と類似するのでは?」
気付きが仮説を生み出します。
これは創造的でオリジナルな部分となります。
このアウトプット作業は、一度読むのをストップして立ち止まらないといけませんので、けっこう見逃されがちです。

独学のシステム〜④ストック

●ストック方法

私から「抽象化」の力を高めるためのコツをここで一つ紹介しておきたいと思います。
それは、とにかく場数を踏むということです。
本書ではこの先、独学によって学んだ知識を、どのようにしてストックしておくかという点についても説明していきますが、
このストックの際に、常に「学んだ知識」と「抽象化によって得られた仮説」をセットにしてストックすることを心がけるということです。
具体的には、次の質問について、自分なりの答えを書いてみることをお勧めします。
① 得られた知識は何か?
② その知識の何が面白いのか?
③ その知識を他の分野に当てはめるとしたら、どのような示唆や洞察があるか?

必要な情報はイケスの中にいるわけですから、詳細まで全部記憶する必要はありません。
関連するキーワードやコンセプトをイケスに紐づけておき、必要に応じてそのイケスから検索できればそれで十分ということです。

●常識の相対化、イノベーション

では常識を相対化できると何がいいのでしょうか?
一言でいえば、イノベーションにつながるのです。

重要なのは、よく言われるような「常識を疑う」という態度を身につけることではなく、「見送っていい常識」と「疑うべき常識」を見極める選球眼を持つということです。
そしてこの選球眼を与えてくれるのがまさに「厚いストック」なのです。

●読書1回目〜本のアンダーライン 

本を汚すのが嫌だという人がいますが、アンダーラインを引くという行為を抜きにしたら、イケス(私注:ストック)の構築は絶対にできません。

次の三つがアンダーラインを引くべき箇所になります。
① 後で参照することになりそうな興味深い「事実」
② 興味深い事実から得られる「洞察」や「示唆」
③ 洞察や示唆から得られる「行動」の指針

ここでポイントになるのが、自分がいいと思った情報、共感したり納得できる情報だけでなく、共感できない情報、反感を覚える情報にもアンダーラインを引いておく、ということです。

●読書2回目〜付箋

もう少し具体的な手順を書けば、私の場合、アンダーラインを引いた箇所を再読して、「やはり面白い」「やはり重要」と思われる箇所については、付箋を貼るようにしています。

●読書3回目〜転記(ストック)

そして、付箋を貼った箇所を再び読んで、つまり三度目 =三読ということになりますが、後々で参照することになりそうだと思われる箇所については、エバーノートに転記するようにしています。
読・再読・三読を通して選び抜かれた 9箇所の情報は、イケスに転記します。
私の場合、転記先の記録媒体としてエバーノートを用いているので、単純にエバーノートに新規のノートを設定し、そこに書籍名と選り抜いた 9箇所のアンダーラインの主要部をパチパチと転記します。

●ストックの整理

その転記された箇所から得られるビジネスや実生活に対する示唆も合わせて書き出してみる。
整理の仕方は、
①面白かった「事実」
②ビジネスや実生活に対する「示唆」
③具体的な「行動」の仮説

知的戦闘力の発揮度合いにはいくつかのレベルがあります。
それはすなわち、
レベル1:過去に学んだ知識を、状況に応じて適宜用いることができる
レベル2:過去に学んだ知識を組み合わせ、自分ならではの概念を構築できるという二段階です。
このうち、知的ストックの構築がレベル1に貢献することは論をまたないことですが、ではレベル2を実現するためにはどうすればいいのでしょうか?
ここでポイントになるのが「タグ付け」ということになります。
まったく別の情報ソースからインプットされた情報が、たとえば「イノベーション」という同じタグを付けられることによって、初めて横に並べられることになります。

独学の戦略であるテーマとジャンルを定め、各ジャンルを読書でインプットし、自分なりの仮説を立てましたら、最後にストックします。
なぜストックが重要なのか?
疑うべき常識に気づかせてくれ、イノベーションへつながる可能性を秘めるからです。
ストック媒体は、著者はエバーノートを使っており、自分はアップル純正メモアプリが使いやすいかと思いますが、かつての手書き時代と比較すれば格段に便利になりました。
ストック内容は、①面白かった「事実」 ②ビジネスや実生活に対する「示唆」 ③具体的な「行動」の仮説、となります。

独学の活用

●ストックの活用とアンラーン

このようにして「読書 →転記」を繰り返していくと、やがて読書ノートがたくさんでき上がることになります。
この読書ノートの活用の仕方はいろいろなのですが、まずはなんといっても、手持ち無沙汰なときに、ざっと眺め返してみるというのがお勧めです。

ここで読み返されることになる箇所は、過去の膨大な読書の中から厳選された文章なわけですから、その都度、いろいろな気づきや示唆を与えてくれることになります。
このとき思いついた示唆などもさらに書き加えていくことで、読書ノートが進化していきます。

大きな変化が継続的に起こっている世界において、一度学んだコンセプトやフレームワークに執着し続けるのは、怠惰を通り越して危険ですらある。
こういった世界に生きる私たちは、常に「昔とった杵柄」を廃棄し、常に虚心坦懐に世界を眺めながら、自分が学んできたことを消去し、あるいは新しく学んだことで上書きしていく、つまりアンラーンし続けることが求められているのです。

●リベラルアーツの真髄

目の前の世界において常識として通用して誰もが疑問を感じることなく信じ切っている前提や枠組みを、一度引いた立場で相対化してみる、つまり「問う」「疑う」ための技術がリベラルアーツの真髄だということになるわけです。
そして、あらゆる知的生産は「問う」「疑う」ことから始まります。

この「問う」「疑う」という行為は、ビジネスの世界においても強力な武器となります。
たとえば、イノベーションというのは「常識を疑う」ことで初めて駆動されます。

FIRE視点のまとめ
✅ 読書など独学するときは、①戦略、②インプット、③抽象化・構造化、④ストックを実践する。
✅ テーマとジャンル選定、ストックの厚みが、オリジナリティとイノベーションを生み出す。
✅ 上記を継続するものが、越境者、クロスオーバー人材となる。

独学の方法、読書におけるアンダーラインの引き方から、オリジナルのアウトプット方法、ストック化する方法まで、かなり丁寧に紹介してくれています。
こういった教養書、リベラルアーツの基礎を、若い頃から学び、実践することが出来れば、人材価値の複利は計り知れません。
読書はインプット過多に陥りやすく、読書自体が目的になってしまいがちです。
今一度、①戦略を立て、③自分なりの仮説を④ストックして、人生や仕事に生かせないか。
自分の頭で考え直すことを改めて教えてくれました。
FIRE(経済的自由)を目指して競合と差別化して稼ぐときにも、FIRE達成後に人生のテーマを探究する際も、一生涯役立つ名著です。

📕『知的戦闘力を高める 独学の技法』(山口周)

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くろひよ

\旅のトリコ、FIRE目指す/ 旅のトリコくろひよが、旅の魅力とFIREの過程を紹介するよ ★街を徘徊して見つけた都市の魅力が好物 ★歴史・地理・地形・建築・文化・アート・痕跡・再開発など ★同じくらいお金が好物(アッパーマス層に)

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