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【エジプト古王国の偉大な遺産】メンフィスのピラミッド地帯【エジプト・世界文化遺産・1979年登録・(ⅰ)(ⅲ)(ⅵ)】

2022年8月8日

三大ピラミッド
*本ページはプロモーションが含まれています。

✔︎ 古代エジプトはどんな時代?
✔︎ 世界遺産のピラミッドとは?
✔︎ ピラミッドを最初に訪れた日本人とは?

実際の旅行経験を踏まえ、古王国時代エジプトとピラミッドの成立を見ていきます。

■メンフィスのピラミッド地帯の概要

エジプトの首都カイロ近郊、ナイル川西岸に広がる、メンフィスのピラミッド地帯は、古代エジプト古王国時代(紀元前2650年〜前2120年頃)の王たちが築いたピラミッドが存在する地域である。
古王国時代の首都メンフィスの周辺、ギザからダハシュールにかけて約30のピラミッドや建造物が存在しており、エジプトの歴史を物語る上で貴重な遺跡として世界遺産に登録された。

■登録基準
(i) 人間の創造的才能を表す傑作である。
(ⅲ) 現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である。
(ⅵ) 顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作 品と直接または実質的関連がある(この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。

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■メンフィスのピラミッド地帯の歴史

上下エジプトを統一する王朝(エジプト第1王朝)が、前4000年紀末に成立した。
以降、前30年のローマ帝国による征服までの間、およそ30の古代王朝が、神格化された王(ファラオ)を中心として国家を営んだ。
古代エジプト王朝は、大きく古王国(前27世紀〜前22世紀)中王国(前21世紀〜前18世紀)新王国(前16世紀〜前11世紀)に分類される。
エジプト文明の象徴的建造物であるギザの大ピラミッドがクフ王によって建造されたのは、古王国時代であり、黄金のマスクで知られるツタンカーメン王墓は、新王国時代の遺構となる。

ギザの大ピラミッドを頂点としたピラミッドの歴史を、古王国の時代背景とともにみていこう。

◉初期王朝時代(第1〜2王朝)

紀元前3150年頃、ナルメル王(メネス王とする説もある。)が下エジプトを軍事的に征服し、上下エジプトを統一してエジプト第1王朝を開いた。
首都はメンフィス(現在の首都カイロのナイル川を渡った西岸)だった。
以降、古王国時代はメンフィスを中心に栄え、ギザを含めた周辺地にピラミッド群が形成されていく。

◉古王国時代(第3〜6王朝)

紀元前2686年頃成立したエジプト第3王朝から第6王朝を、古王国時代と呼ぶ。
古王国時代には中央政権が安定し、強力な王権が成立していた。
紀元前2650年頃に第3王朝第2代のジェセル王が建設した「階段ピラミッド」(BC2650・サッカラ)が政権の安定性を示す。
これまでの墓の形式であった「マスタバ」(日干しレンガを用いた長方形を基本とする建設様式)を、宰相イムホテプ(医神アスクレーピオス)により、マスタバを6層に積み重ねた階段状の王墓とした。
これがエジプト史上最古のピラミッドとされる、ジェセル王の階段ピラミッドである。
以後の王墓建設に巨大な影響を与え、以後マスタバに代わりピラミッドが王墓の中心的な形式となっていった。

階段ピラミッド(BC2650・サッカラ・高さ60m・一辺107〜123m)

階段ピラミッド(BC2650・サッカラ・高さ60m・一辺107〜123m)


宰相イムホテプ。コムオンボ神殿のレリーフに頭が無い姿で残る。ジェセル王の宰相でトート神神官であった。映画『ハムナプトラ』のキャラクターモデル。

宰相イムホテプ。コムオンボ神殿のレリーフに頭が無い姿で残る。ジェセル王の宰相でトート神神官であった。映画『ハムナプトラ』のキャラクターモデル。

紀元前2613年にはスネフェルが即位し、エジプト第4王朝が始まる。
第4王朝期に、ピラミッドの建設が最盛期を迎えた。
スネフェル王は紀元前2600年頃にヌビア、リビア、シナイに遠征隊を派遣して勢力範囲を広げた。
そして、「屈折ピラミッド」(BC2600・ダハシュール・元の高さ105m・一辺188m)を、さらに世界初の真正ピラミッドである「赤いピラミッド」(BC2600・ダハシュール・高さ105m・一辺229m)を建設した。

屈折ピラミッド(BC2600・ダハシュール・元の高さ105m・一辺188m)

屈折ピラミッド(BC2600・ダハシュール・元の高さ105m・一辺188m)


赤いピラミッド(BC2600・ダハシュール・高さ105m・一辺229m)

赤いピラミッド(BC2600・ダハシュール・高さ105m・一辺229m)

スネフェルの次のクフ王の時代に、ピラミッド建設は頂点を迎える。
世界最大のピラミッドである「クフ王のピラミッド」(BC2550・ギザ・高さ146.6m→138.75m・一辺230.33m)が建設された。

クフ王のピラミッド(BC2550・ギザ・高さ146.6m→138.75m・一辺230.33m)

クフ王のピラミッド(BC2550・ギザ・高さ146.6m→138.75m・一辺230.33m)

クフ王。残したピラミッドは巨大だが、残る自身の姿はとても小さい。(The Egyptian Museum)

クフ王。残したピラミッドは巨大だが、残る自身の姿はとても小さい。(The Egyptian Museum)

その2代あとにあたるカフラー王「カフラー王のピラミッド」(BC2550・ギザ・高さ143.5m→138.75m・一辺215m)とその門前にあるギザの「大スフィンクス」(高さ20m・長さ57m)を建造。

カフラー王のピラミッド(BC2550・ギザ・高さ143.5m→138.75m・一辺215m)

カフラー王のピラミッド(BC2550・ギザ・高さ143.5m→138.75m・一辺215m)

大スフィンクス(高さ20m・長さ57m)

大スフィンクス(高さ20m・長さ57m)

さらにその次のメンカウラー王「メンカウラー王のピラミッド」(BC2550・ギザ・高さ65m・一辺102.2m〜104.6m)を建設した。

メンカウラー王のピラミッド(BC2550・ギザ・高さ65m・一辺102.2m〜104.6m)

メンカウラー王のピラミッド(BC2550・ギザ・高さ65m・一辺102.2m〜104.6m)

この3つのピラミッド群は三大ピラミッドと呼ばれ、エジプト古王国時代を代表する建造物であり、1979年に世界文化遺産として登録された。

しかし、この約4500年前にピラミッド造りは頂点を迎えることになる。
エジプト第5王朝に入ると経済は引き続き繁栄していたものの、クフ王時代のような巨大な石造りのものを建てられることはなくなり、材料も日干しレンガを使用したことで耐久性の低いものとなった。

続く第6王朝も長い安定の時期を保ったが、紀元前2383年に即位し94年間在位したペピ2世の治世中期より各地の州に拠る州侯たちの勢力が増大し、中央政府の統制力は失われていった。
崩御したころには中央政権の統治は有名無実なものとなっており、紀元前2181年に第6王朝が崩壊したことにより古王国時代は終焉となる。
ピラミッドという王の埋葬形態は、新王国時代におけるテーベの「王家の谷」のような墓地遺跡形態となっていく。

■ピラミッドを訪れた最初の日本人たち

日本とエジプトでは、地理的に大きくかけ離れており、交流の歴史は浅いといえる。
最初にエジプト・ピラミッドを訪れた日本人は、幕末期のサムライたちであった。

◉文久遣欧使節(第1回遣欧使節、開市開港延期交渉使節、竹内遣欧使節)文久元(1862)年

文久遣欧使節は、江戸幕府が、江戸・大阪の開市、兵庫・新潟の開港の延期交渉をするために、ヨーロッパに派遣した最初の使節団である。
正使は竹内保徳(下野守)、副使は松平康直(石見守、後の松平康英、川越藩主)、目付は京極高朗(能登守)。
この他、柴田剛中(組頭)、福地源一郎福沢諭吉松木弘安(後の寺島宗則)、箕作秋坪らが一行に加わり、さらに後日通訳(蘭語、英語)の森山栄之助と渕辺徳蔵が加わり38名となった。
文久元年12月22日(1862年1月21日)、一行はイギリス政府のフリゲート艦「オーディン」号で品川を発し、ヨーロッパに向かって、途中エジプト・スエズに上陸、鉄道でカイロからアレクサンドリアに出て、船で地中海を渡り英領マルタを経て、マルセイユに入った。
医師として使節団員に加わっていた高島祐啓(久也)が記載した『欧西紀行』では、スエズからカイロまで蒸気機関車に乗ったことなどが記されている。
彼らが、エジプトのピラミッドやスフィンクスを訪れた最初の日本人ということになる。

高島久也『欧西紀行 20巻』 慶応3年(国立国会図書館)

高島久也『欧西紀行 20巻』 慶応3年(国立国会図書館)

◉第2回遣欧使節(横浜鎖港談判使節団、池田使節団)文久3(1864)年

続いて幕府は、開港した横浜をもう一度閉めて鎖国したいという朝廷の強い意向もあり、列強との交渉のため、池田長発(筑後守)を正使、河津祐邦(伊豆守)を副使、河田熙(相模守)を目付とし、文久3年12月29日から元治元年7月22日にかけて(1864年2月6日〜8月23日)フランスに派遣した。
一行はフランス軍艦「ル・モンジュ号」で出航。
上海やインド等を経由し、スエズからは陸路でカイロへ向かい、途中ギザの三大ピラミッドとスフィンクスを見学し写真を撮っている。
写真は、エジプトで活動していたアントニオ・ベアト(1832-1906)によって撮影され、左下にはA. Beatoのサインがある。
イタリア出身の写真家で、明治維新前後の日本の写真を残しているフェリーチェ・ベアトの弟である。
現代人でも感嘆するピラミッドの威容。
サムライたちも記念写真を撮るほどだったのだから印象深かったに違いない。

エジプトのスフィンクスの前で撮った池田使節団の集合写真(国立国会図書館)

エジプトのスフィンクスの前で撮った池田使節団の集合写真(国立国会図書館)

現在のスフィンクス。奥はクフ王ピラミッドが見える。

現在のスフィンクス。奥はクフ王ピラミッドが見える。

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■実際に訪ねてみて・・・

首都カイロからナイル川を渡った西側にギザの町があります。
車上から、視界に入ってくるクフ王ピラミッドは、想像以上の大きさです。

クフ王のピラミッドでは、入口から回廊を抜けて最深部の「王の間」(アスワンで切り出された花崗岩でできた棺がある。)に至るまで、傾斜ある通路を時間をかけて通り抜けることになります。
高齢者の方で杖を突いて登っている方も見受けられ、体力があるうちに行った方がいい場所だと感じました。
しかし、その回廊の距離からいっても、大きさが半端ではありません。
古代人が動力も無しに人力でこれを作ったのかと。。。

クフ王のピラミッド・入口。9世紀のカリフであるアル・マムーンの盗掘口が観光客用入口になっている。

クフ王のピラミッド・入口。9世紀のカリフであるアル・マムーンの盗掘口が観光客用入口になっている。

クフ王のピラミッド内部・大回廊

クフ王のピラミッド内部・大回廊

クフ王のピラミッド内部・王の間にある石棺

クフ王のピラミッド内部・王の間にある石棺

クフ王のピラミッドに負けず大きなピラミッドは、カフラー王のものです。
カフラー王のピラミッド上部には、ツルッとした化粧石を見ることができます。
かつてはこれが全体を覆っていました。
乾燥気候のエジプトでは森林が発達せず、木材は不足気味だったため、建材は日干しレンガと石(石灰岩、砂岩、花崗岩など)でした。
石は主に墓や神殿専用の建材であり、ピラミッドの中核部分には、現地で切り出された石、煉瓦、砂利から成っていたそうです。
化粧石の素材である、白い石灰岩はナイル対岸のトゥーラから持ち込まれたといいます。

カフラー王のピラミッド上部に残る化粧石

カフラー王のピラミッド上部に残る化粧石

時代はさかのぼって、スネフェル王時代のピラミッドが残っているのが、ギザの南方ダハシュール。
「屈折ピラミッド」と「赤いピラミッド」が有名です。
その場所から少し遠方に崩れたピラミッドが見えます。
「黒いピラミッド」と呼ばれるものです。

黒いピラミッド。中王国時代の第12王朝アメンエムフト3世によって築かれた。

黒いピラミッド。中王国時代の第12王朝アメンエムフト3世によって築かれた。

このいびつな形のピラミッドの方が時代は新しく、古王国より後の、中王国時代第12王朝アメンエムフト3世が築いたものとされます。
王自身ではなく王妃や王族を安置したということです。

このように、ギザのピラミッド群の時代と前後のピラミッドの時代の様子を見ると、クフ王時代あたりがピラミッド建設の頂点、完成形であったことが理解できます。
また、建設順序を時系列に知っていると、建築方法の変遷を現地で楽しめます。
それにしても、4500年もの昔にこのような建造物が人の手で築かれたことは驚異。
ローマ時代の遺跡でさえも新しく感じられてしまうから不思議です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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■参考サイト
Discover Egypt's Monuments

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くろひよ

\旅のトリコ、FIRE目指す/ 旅のトリコくろひよが、旅の魅力とFIREの過程を紹介するよ ★街を徘徊して見つけた都市の魅力が好物 ★歴史・地理・地形・建築・文化・アート・痕跡・再開発など ★同じくらいお金が好物(アッパーマス層に)

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